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エッセイ
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和室でうんこ事件
（友人の友人Ｉさんエピソード２）
2000/02/25
私の友人の友人に、Ｉさんという人がいる。
ちょっとした、いくつかのエピソードの持ち主で、親しみが湧き、とても他人とは思えない。(^^)
私が知っているエピソードについて、ここで紹介してみたい。
ちなみに今回のエピソードは、お食事中の方は、ご遠慮ください。(^^)
Ｉさんは、徳島市内の会社に勤めるサラリーマンである（らしい）。
あるときＩさんは、東京へ出張に出かけた（らしい。以下略）。
Ｉさんは、出張の間、東京のビジネスホテルの和室に泊まっていた。
ある朝、目が覚めると、Ｉさんは畳の上で寝ていた。
ふとんはとなりにあったが、なぜか畳の上で寝ていた。
前後左右に、服が脱ぎ散らかされている。
Ｉさんは、Ｔシャツにゆかた姿で、寝ていた。
ただし、パンツをはいていなかった。
なんとなく、部屋が臭う。
おしりには、うんこが乾いて、こびりついていた。
しかし、二日酔いだったＩさんは、とりあえずそのまま、また寝てしまった。
Ｉさんはお酒が好きである。
前の日、したたかに飲んだＩさんは、無事ビジネスホテルに辿り着くことができた。
ただし、ＪＲで５駅ある帰り道をどのようにして帰ったか、Ｉさんは覚えていないらしい。
右ひざにあざがあり、左足が痛む。ズボンにも汚れがあり、しわくちゃになっていたが、
Ｉさんは覚えていないらしい。
とりあえず、体にケガは、なかった。
のどの渇きで、何度か目が覚める。
２階に泊まっていたＩさんは、臭いつきの姿で、何回か３階の自販機へジュースを買いにいった。
階段には、カギがかかっていたため、エレベーターで行くしかなかった。
廊下でベットメイクの人とすれちがいかけたが、エレベータでは、偶然、誰にも会わなかった。
５回くらい買いに行き、計７本くらいジュースを飲んだ。
せっかく飲んだジュースを、そのまま戻してしまうこともあった。
洋式トイレに顔を突っ込んで、ジュースを戻したＩさんは、洋式トイレが妙に汚れていることに
気がついていた。
トイレの片隅のごみ箱に、うんこまみれのパンツが掛かっていることにも、気がついていた。
しかし、やっぱりＩさんは、とりあえずそのまま、また寝てしまった。
１０時ごろ、ホテルのフロントから電話がかかってきた。
チェックアウトの時間を延長してもらい、Ｉさんはそのまま、また寝てしまった。
１１時ごろ、ようやくＩさんは起き出した。
おそるおそる、部屋の中を、あらためて見渡した。
掛けぶとんとマットレスの間に、うんこのあとがあった。
ふとんとトイレの間の畳が、うっすら汚れていた。
ワイシャツの右そでも、肩からそでにかけて、汚れていた。
トイレットペーパーの予備が、開封されていた。
臭う和室のなかで、Ｉさんは一人途方にくれた。
おそらく、酔って帰ってきたＩさんは、ワイシャツとパンツ姿になって、掛けぶとんとマットレスの
間に体を入れて、寝てしまったのであろう。
寝たまま、うんこしてしまい、パンツをはみ出し、掛けぶとんとマットレスが汚れた。
気がついて、起きてトイレに向かう時に、畳にこぼれた。
トイレでパンツを脱ぐときに、床と便器にこぼれた。
床にこぼれたうんこをトイレットペーパーで拭くときに、ワイシャツの右そでが便器にふれて汚れた。
予備のトイレットペーパーまで使って、部屋中を拭いて回った。
記憶がないＩさんは、以上のように推測している。
それから半時間、Ｉさんはトイレットペーパーをぞうきん代わりに、便器と床を磨いた。
情けなかったが、二日酔いで脱水状態のため、涙も出なかった。
うんこまみれのパンツは、洗面所で洗うわけにもいかず、トイレをバケツ代わりに洗った。
パンツとワイシャツは、洗ったあと、ごみ箱に捨てた。
ふとんと、畳についた汚れは、トイレットペーパーで拭いてもだめだった。
最後に、Ｉさんはお風呂に入って、おしりを洗った。
身支度をおえたＩさんは、意を決してフロントの人を呼び、部屋を見てもらった。
その前に、部屋の窓を全開にして、換気をすることを忘れなかった。
ふとんは捨てるしかなかった。
ふとんを処分するのにも５００円位かかり、合わせて５千円くらいかかるかも、という
フロントの人に、Ｉさんは１万円弁償した。
ホテルの延長料金である千円とは別に、フロントの人にも心付けとして、千円渡した。
めちゃくちゃ、恥ずかしかったからである。
最後にフロントの人は、こういうことはよくあるので、気にせず、またお越し下さい、と言った。
その言葉を、信じてよいものかどうか、Ｉさんは未だに迷っている・・・
以上が、のちに「和室でうんこ事件」と呼ばれるようになった、Ｉさんのエピソードである。
（続く？）
inouchi@home.nifty.jp